感情労働とは?抱える問題点や従業員のケア方法を解説

2021.09.14組織づくり

感情労働とは?抱える問題点や従業員のケア方法を解説

業種によって抱える問題や特徴は変わります。なかでもストレスを感じやすく、企業としてストレス問題を理解し、従業員の適切なケアをしていかなければならないとされているのが「感情労働」です。感情労働とは何か、抱えやすい問題や企業として検討すべき対策についてご紹介します。

■感情労働とは?

感情労働とは社会学者であるA・R・ホックシールド氏によって提唱された言葉であり、顧客や消費者といった相手のため自らの感情を抑制し、我慢、忍耐などが求められる労働のことをいいます。
労働するうえで感情だけでなく、精神と感情の協調が必要になるのが特徴です。肉体労働は工事現場などで身体を使うことにより賃金を得ます。また、エンジニアやプログラマーといった頭脳労働は頭を使って働くことによって賃金を得る仕事です。感情労働は感情を抑えたり、コントロールしたりすることによって賃金を得るといった違いがあります。

■感情労働に該当する職種

具体的にどのような職種が感情労働に該当するのでしょうか。一例として以下の仕事が挙げられます。

  • 医療職
  • 介護職
  • 客室乗務員
  • オペレーター
  • 接客業

この他にも、仕事をするうえで感情を抑えなければならない場面がある仕事は感情労働に該当します。たとえば、苦情処理や秘書などの仕事もそうですし、模範的な態度、行動が求められる教師や保育士なども感情労働です。

■感情労働が抱える問題点

感情労働は自分の感情を抑えたり、コントロールしたりする必要があることから、業務中にストレスを感じやすい働き方とされています。感情労働は業務中に非常識な要求をされたり、理不尽に怒られたりしても冷静な対応が求められます。礼儀正しく振る舞う必要があるため、自分でも気付かないうちに大きな心の負担を積み重ねている方が多いです。その結果、以下のような症状が現れることがあります。

燃え尽き症候群(バーンアウト)

それまでやる気を持って働いていた方が急にやる気を喪失してしまい、仕事に身が入らなくなってしまうような状態を「燃え尽き症候群」といいます。英語で「燃え尽きる」という意味をもつ「バーンアウト」と呼ばれることもあります。
責任感が強く、前向きに取り組んできた方でも燃え尽き症候群に陥ってしまうケースは少なくありません。感情を抑えたりコントロールしたりする中で気持ちがすり減ってしまうことが大きな原因です。朝起きられない、元気がない、食欲がない、人と話す気持ちが湧かないなどの症状が現れます。

うつ病などの精神疾患

感情労働はうつ病などの精神疾患リスクの高い働き方です。相手からネガティブな主張をされ、対応する中で無意識にストレスを溜め込んでしまうことがあります。
ストレスが溜まっていることに自分自身で気づけず、適切なストレスケアができないと、うつ病などの精神疾患リスクが高くなってしまうのです。感情労働に分類される職業に就いている方は、うつ病のリスクが高いことを自分で理解し、定期的にストレス発散のための対策を取る必要があるでしょう。

■感情労働に従事するスタッフのケア方法

情労働に従事するスタッフのケア方法

感情労働に従事している方は自分自身で対策について考えていくことも重要ですが、スタッフを管理する立場にある方はスタッフのケアについても考えておかなければなりません。適切なケアをすることによってスタッフにとって働きやすい職場を目指せるでしょう。オススメの方法について2つご紹介します。

カウンセラーの設置

感情労働に従事している方は、日々の業務の中で多くのストレスや悩みを感じていることが多いのですが、悩みなどを相談できる場がなく、自分の中で溜め込んでしまう方もいます。
そこで、相談できる相手として企業でカウンセラーを設置するのもオススメの方法です。カウンセラーは悩みを抱えている方に対し、心理学的にみて適切なアドバイスをしてくれます。自分一人では抱えきれない不安や悩み、ストレスなどを理解してくれる専門家がいて、いつでも相談できるような環境が整っているとスタッフにとっても心強いです。

ストレスチェックの実施

感情労働に従事している方の中には、自分自身でストレスを溜め込んでいることに気付けていない方がいます。すると、自分でも知らないうちに心が限界に達してしまい、燃え尽き症候群やうつ病などの精神疾患に陥ってしまう可能性が高いです。

対策として、定期的にストレスチェックができるような制度を導入しましょう。

しかし、ただストレスチェックを重視するだけでは意味がありません。もしストレスチェックで問題が発生していることがわかれば、速やかに適切なケアを実践するための体制を整えておくことも重要です。

■感情労働について理解することが重要

感情労働は、肉体労働や頭脳労働とは異なる形でストレスを感じて悩みを抱えています。とくに心が感じるストレスは目に見えないものであるため、その人が大変な状況に陥っていたとしてもなかなか見た目にわかりません。
そのため、企業は感情労働に従事している従業員を支えるための対策を取る必要があります。感情労働に従事している方が抱えやすいトラブルや不安などをしっかり理解し、適切な対策をとりましょう。

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